犬とオオカミの間

 フランス語で黄昏時のことを表現するのに、「犬とオオカミの間」と言う言葉があるのを教わったことがあります。文語的な言い回しではもちろん他の言葉がありますが、この表現は面白くて良く覚えています。犬が自分の家に寝に帰り、オオカミが狩りに出てくる時間帯と言うことでしょう。と言うことはこれは両者が共存している時間帯と言えます。

 金属やセラミックスは温度、組成によって様々な構造(原子の並び方)を取ることが知られていますが、ある条件下では2つ以上の構造が同時に存在する場合があります。これを利用してこれらの材料の性質をコントロールすることもあります。

 日本では黄昏時は「誰そ 彼」とと言うのが語源となっているようですから、犬のオオカミも互いに相手の影を認めて「誰そ・・」と言っているのかもしれません。ただしこの場合は共存は難しそうですが。