2008-01-01から1年間の記事一覧

サッラディーンの剣(2)

ところでダマスカスには他のアラブの都市と同様、大きなスーク(市場)がありますが、メインのハミディア・スークは日本のアーケード街を巨大にしたような感じでもう一つ面白みはなく、それよりも横道にそれたところの古いスークを歩く方が興味深かったと記憶…

サッラディーンの剣(1)

シリアの首都ダマスカスの城壁のそばに、アラブの英雄サッラディーンの銅像があります。シリアを統一して十字軍を破り、エルサレムを奪還した人物ですが、マントを風にひるがえす馬上の姿は精悍そのもの。(もっとも、最近知ったことですが、イスラム世界でも…

鉄を歌う人(2)

鉄を表現するとすれば、その硬さ、強靱さ、冷たい肌触り、でなければ錆? 日本の詩人で鉄と肌合いの合いそうな人を探したら、吉田一穂にこんな作品がありました。 白鳥 15 地に砂鉄あり 不断の泉湧く。 また白鳥は発つ! 雲は騰がり、塩こごり成る、さわけ山河…

鉄を歌う人(1)

私は名前に「鉄」がついているので、鉄のことが多少気になります。鉄は宇宙にいつ出来たか、人類が鉄を見いだしたのはいつ頃か。これらに関しては沢山文献もあります。例えば、最初に製鉄(原始的な意味での)を行ったのはヒッタイト人ということになっていた…

パドルビーはどこに(2)

しかしこの村が本当にパドルビーのモデルなのかというと、多少の違和感も覚えました。確かに垣根に囲われた広い庭の館もありますが、少し小さいかな。何しろドリトル先生の家の庭は1エーカー(1200坪ばかり)ほどもあって、様々な鳥や動物たちがそこで暮らし…

パドルビーはどこに(1)

昨年夏にイギリスの田舎を、車を借りて回りました。ハイランドに近い湖水地方もひとつの目的でしたが、もう一つの目的はコッツウォルズの村々。今や人気の高い観光地で、ハニーストーンの壁の小さな村々も場所によっては大勢のツーリストが押し寄せます。そ…

象の住む国(2)

ラオスについての続きで、象ではなく僧(そう)に関することです。タイと同様、ラオスも仏教国ですから町で沢山の坊さんを見かけます。写真はルアンパバーンでの早朝の托鉢風景。 子供が寺に入って坊さんになることを家族、特に母親が望むのだと言っていました…

象の住む国

この夏、ラオスに行きました。北部のルアンパバーンは14世紀頃、ラーンサーン王国の首都だった町で、ラーンサーンは100万頭の象という意味だそうです。ラオスには今でも千頭程度の野生の象がいるということでした。 タイのチェンマイからラオス航空機でルア…

白い象について(2)

「白い象の街」という作品を書いた時、意識の中にどこからか白い象がひょっこりひょっこりと入り込んで歩いてゆくイメージが現れました。街の外から(意識の外から)白い象が訪ねてくる・・・そんな感じです。もう随分前のことですが。 白い象は普賢菩薩の乗り…

白い象について

HP「白い象の街」を開設しています。これは04年に出した短編集のタイトルですが、ご興味をもって頂ければそちらへもどうぞ。 (http://www.shiro-zou.com/) BLOGでは気軽に思いつくことを書き込んでゆくつもりです。