松本竣介と賢治

 東北を旅行して、盛岡の県立美術館に松本竣介の絵がかなりあるのを見てきました。松本竣介は1912年に東京で生まれ、その後、3才から16才までを盛岡で過ごしています。意外に思ったのですが、この時期は宮沢賢治が19才から32才の時に重なっています。彼が「春と修羅」や「注文の多い料理店」などを発表した期間に当たります。同じ時期にごく近くにいたのですから、何らかの接点がなかったのかと考えますが、そのような話はまだ聞いたことがありません。ただこの2人の醸し出す空気はかなり違っていますから、全く別々の世界にいたと言うことでしょうか。
ちなみに松本竣介と同じ年に盛岡で彫刻家の舟越保武が生まれており、松本と舟越は極めて親しい付き合いだったようです。舟越の彫刻作品には洗練という言葉が似合いそうに思います。